数えた星の数だけ…

明日は東京競馬場で『ジャパンカップ(G1)芝2400m』が行われます。

競馬後進国であった日本に、世界の強豪馬を招待する夢の祭典として1981年に施行され、第36回目を迎える本競走ですが、今年はイキートス、イラプト、ナイトフラワーの3頭のみ。

頭数もさることながら、各馬の実績もお世辞にも“豪華”とは言い難いものになってしまいました。

第1回大会は15頭中8頭、第2回大会は15頭中10頭、第3回大会は16頭中10頭だった海外勢。

頭数だけでなく、その質も高く、コアな競馬ファンでなくても名前を知っている馬が多数来日してくれました。

特に第2回大会では、アメリカのGⅠ12勝(最終的には16勝)馬、ジョンヘンリーがやって来てくれました。

しかし、結果は1番人気に推されるも13着でした。

ジョンヘンリーだけでなく、毎年“目玉”となる海外のビッグレースのタイトルホルダーは、本競走では期待された結果を出せず、「観光気分」と揶揄されました。

確かに、海外での実績はもう一つの馬が、賞金の高い日本競馬に本気で挑んで優勝するケースが多く、馬券検討の際には“本気度”というのが、重要なファクターの一つになっていました。

また、新設された当時は、日本の馬が上位争いをするのは困難という見方もありましたが、その後の発展により、少なくとも日本で行われる以上、日本馬勢に海外の馬が勝つのは難しくなっていきました。

第1回大会から第10回大会までは、日本馬の優勝はカツラギエースとシンボリルドルフの2頭のみでしたが、近年は2005年にアメリカのアルカセットが勝って以降、10年連続で日本馬が優勝しています。

海外勢にしてみれば、勝てる確率が少ない中、はるばる日本までやって来て、故障の危険性の高い日本の高速馬場を走らせることに、メリットはあまりありませんよね。

さらに、11月上旬にはアメリカでブリーダーズカップ、12月には香港で香港国際競走が行われています。

ブリーダーズカップも、香港国際競走も、一日に条件の違うGⅠレースが複数行われる競馬の祭典であり、ジャパンカップよりもはるかに華やかだし、抱き合わせで挑戦できるメリットもあり、ジャパンカップを勝つ力のある馬は、ジャパンカップではなくブリーダーズカップか、香港国際競走を選ぶという現象が起きています。

そんな訳で、昔のような華やかさをジャパンカップに求めるのは“ない物ねだり”というものでしょう。

これも、日本競馬の進歩がもたらした誤算というやつで、日本馬が海外のGⅠレースを勝つことも珍しい事ではなくなりました。

日本馬の凱旋門賞制覇という、新たな夢を日本の競馬ファンに見せてくれています。

いつの日か、日本の競馬ファンがジョンヘンリーを見たときのように、海外の競馬ファンが日本馬に羨望のまなざしを送る日が来るかも知れません。

第3回大会を勝ったスタネーラ。

来日後、疝痛(腹痛)に悩まされ、脚部不安も訴えており、まともなトレーニングはできずにいました。

そんなスタネーラを厩舎から連れ出し、朝昼夕夜と東京競馬場内を引いて歩いたのが長身のライアン厩務員でした。

彼らが一日に歩いた距離は、ゆうに20㎞を超えていたといいます。

特に、深夜11時を過ぎてから、スタネーラに語りかけながら歩くライアン厩務員の姿に、日本の警備員たちも涙したといいます。

そして、「なぜ、こんな夜中に引き運動を?」と問われると、「彼女(スタネーラ)が、ちょっと散歩したがっているので…」と答えたライアン厩務員は、さらにアイルランドのこんな諺を教えてくれました。

「数えた星の数だけ強くなる」

スタネーラと同じく2年連続を参戦となる、アイルランド生まれの栗毛の牝馬のナイトフラワー。

優勝したときのゼッケン番号“14”を引き当てて欲しかったのですが、残念ながら“15”でした…。

あっ、でも、スタネーラのときは16頭立て、今回は17頭立てですから、外から数えたら3頭目は一緒です。

54年振りの異常気象のなか、元気一杯な姿を見せてくれた彼女を見ていて、そんなことを考えていました。

20161124-00000060-sph-000-1-view

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です