勝負度合い
明日、中山競馬場で伝統のG2戦『中山記念』が行われます。
このレースは毎年、実績のある馬が出走することが多いのですが、これはそれぞれのレースに設けてある条件の違いによるところが大きいのです。
JRAではG1競走は全て“定量戦”といい、実績に関わらず年齢と性別によりレースで背負う重量は決まっているのですが、G2、G3になると“別定戦”あるいは“ハンデ戦”と呼ばれる方法で負担重量が調節されるため、実績のある馬は過酷な重量を背負わされる可能性が高いのです。
もっとも、この中山記念も別定戦になるのですが、比較的実績のある馬にも出走しやすい算定法なのです。
詳しいことは聞かれても分かりませんので、気になる方はJRAのホームページででもお調べ下さい。
今年も現役馬としては最高とも言える実績を保有する馬が出てきましたね。
昨年の二冠馬(皐月賞、ダービー)ドゥラメンテです。
普通に考えれば最高の実績がある馬が戦いやすい条件で出走できるのですから、アッサリそう言う馬が勝っても良さそうなものですが、なかなかこのレースはそうはいかないケースが多いです。
考えられる理由の一つとして、このレースが行われている時期です。
実績のある馬というのは、このレースが目標ではなくその先にあるものなので、最高の状態で出走してくる可能性が低いんですね。
ですから、仕上がり八分程度の実績馬が、真剣勝負の馬に負けたりすることもままあると言うことです。
ちなみにドゥラメンテの最大目標は10月にフランスで行われる凱旋門賞のようですが、その前に3月26日にドバイで行われるドバイシーマクラシックに挑戦したいようです。
ですから、当然ここは真剣勝負ではありません。
しかし、例え八分程度の仕上げだったとしても、国内のG2で負けているような馬が海外のG1に向かえる訳がありません。
ですから鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、骨折明け9カ月振りの実戦で、仕上がり八分程度であっても、次にダメージを残さないように勝利に導かなければならないのです。
リーディングの上位にいる騎手たちに、「強い馬ばかり乗っているのだから、たくさん勝って当たり前」的なことを言う人は今も昔もいるのですが、そう言う人は騎手になっても強い馬は乗せてもらえないでしょうね。
実績一番のドゥラメンテが真剣勝負ではないのに対し、ここが勝負であろうと思われるのがサトノギャラント、フルーキー、アンビシャスの3頭です。
サトノギャラントは全7勝のうち4勝が東京芝1600mということですから、目標は5月1日の安田記念になると思うのですが、賞金的にここを勝っておかないと目標の舞台に立てない可能性が高いです。
前走から中二週で挑戦してきたところにも、その必死さが伺えます。
アンビシャスも同じく目標は安田記念で、そのためにはここを勝っておきたいですね。
フルーキーも目標が安田記念になる可能性がある一頭ですが、この馬の場合はまだ「安田記念が目標です」と言えるだけの実績がありませんから、全てはここを勝ってからでしょう。
稽古の動きはもう一息かな、という印象でしたが、気持ちはできているようなので好走を期待します。