映画『優駿 ORACION』監督:杉田成道 脚本:池端俊策 原作:宮本輝
北海道・静内の牧場主・渡海千造(緒形拳)と息子・博正(緒形直人)の夢は、名馬をつくりダービーを制覇することだった。そして伝説の名馬ゴドルフィンの血をひく仔馬オラシオンが無事産まれた。和具工業社長の平八郎(仲代達矢)は二つの悩みを抱えていた。一つは会社の危機で、もう一つは娘の久美子(斉藤由貴)も知らない腹違いの弟・誠(吉岡秀隆)の存在だった。しかも腎不全で、父親の腎臓移植が必要なほど重病だった。和具はオラシオンを3千万円で買い、夢を託すことにした。
(『Movie Walker』より)
実は、この映画で使用されているオラシオン役の馬が、開業1年目の遊馬にいたんですよ。
もうヨボヨボでのおばあちゃん(劇中は牡馬の設定ですが)で、仕事では使えませんでした。
仕事では使えませんでしたが、僕は一回だけ乗せてもらった記憶があります。
乗り味はあまりよく覚えていませんが、背が高くて、身体が硬く、ゴトゴトとした印象しか残っていません。
また、劇中で使用されているオラシオンは、何頭もいたそうで、「どれが遊馬にいたオラシオンなの?」と聞かれても、オラ知らん(おもしろい!)。
物語としては、馬とか、競馬への予備知識のある人には、ちょっと厳しいかも知れませんね。
正直、「ないないないないない」の連発で、2時間が過ぎていきました。
そんな中で、唯一惹かれたシーンは、オラシオンがスタート直後に落馬したレースで、空馬のままゴールを目指して走ってくるんですが、ゼッケンに思いっ切り“メリーナイス”って書いてあるんですよ(笑)。
4コーナーで他の馬が故障を発生するんですが、あれはサクラスターオーですね。
メジロデュレンが勝った有馬記念の映像が使用されており、ダイナアクトレスやマックスビューティ、トウカイローマン、タレンティドガール、ダイナガリバー、レジェンドテイオーらの姿を思いがけず見ることができ、ちょっと得した気分になりました。
あと、オラシオンの主戦騎手を演じていたのが、藤田菜七子騎手の師匠の根本康広調教師でした。