凱旋門賞2016
10月2日、日曜日の日本時間23時5分(現地時間16時5分)に行われた第95回凱旋門賞(仏シャンティー芝2400m、3歳以上GI)に参戦した日本のマカヒキは、16頭立ての14着に負けてしまいました。
勝ったのは、ライアン・ムーア騎手が騎乗したファウンド(牝4歳、父ガリレオ、愛オブライエン厩舎)でした。
前日、展望を聞かれた武豊騎手が「馬の力はポストポンド。騎手ならライアン・ムーア」と言っていましたが、本当に大舞台に強いジョッキーですね。
ファウンドの関係者の皆さま、おめでとうございます。
一方のマカヒキはスタートはよかったのですが、ハイランドリール(2着)に外に張り出される格好になり、内にもぐり込むことができませんでした。
さらに外には、オーダーオブセントジョージ(3着)、やや後ろの内埒沿いにはファウンド。
実はこの三頭、全てオブライエン厩舎の馬ということで、もしかしたら、厩舎内で事前に練られていた“マカヒキ包囲網”だったのかも知れません。
これで、好スタートを切り行き脚のついたマカヒキは、自分のスペースを作ることができず、折り合いに欠いてしまったように見えました。
それでも、3~4コーナーの中間辺りではもう少し上位争いできるのではないかと思いましたが、騎乗したクリストフ・ルメール騎手が、「リラックスして走れなかった。スタートしてすぐオーバーペースになり、最後は疲れてしまった」とコメントしたように、最後は全く力は残っていませんでしたね。
現地でも高い評価を受けていたマカヒキだけに、日本の競馬ファンは大いに期待したことでしょう。
しかし、それだけに、その落胆も大きかったのではないかと思います。
そうなると、どうしても誰かのせいにしたくなるかも知れませんが、誰のせいでもありません。
まぁ、「日本のサッカーは決定力不足なんだよ」という人たちは、ルメール騎手のせいにするかも知れませんが、僕の目には到底そうは映りませんでした。
誰のせいでもありません。
マカヒキ自身が力を出し切れなかっただけです。
だからといって、マカヒキが弱いわけではありません。
迷惑な話ですよ。
人間は“世界最高峰”だの、“日本競馬界の夢”だの、“父ディープインパクトの雪辱”だの、好き勝手言いますが、マカヒキは「挑戦させてくれ」なんて、一言もいってないと思いますよ。
それを長々と飛行機に乗せられ、見知らぬ地で走らされ、右を向いても、左を向いても、鼻の長いブルーアイズに「セヴォンセヴォンウィセヴォンマドモアゼ~ル」と話しかけられ、これまでとは全く違う競馬を強いられるわけですから、力を出し切れなくたって当然ですよ。
夏の甲子園決勝でノーヒットノーランをやってのけ、日本球界のエースとして、NPBで、MLBで、WBCで、圧倒的な存在感を示してきた松坂大輔投手が、3648日振りの日本の一軍マウンドに上がり、緊張のあまり四球、死球、死球、四球ですよ。
そんな簡単じゃないんですよ。
“力を出し切る” って。
これからですよ、大切なのは。
マカヒキも。
松坂大輔も。