ドライビング調教
今年のゴールデンウィークは強風に、吹雪と天候に悩まされ、お客様のご要望にお応えできなかった面もあり、誠に申し訳ございませんでした。
安全面を考慮した上での判断であったことをくれぐれもご理解下さいませ。
5月に入りますと一気に気候が変わり、穏やか乗馬日和となりました。
1日は予約は余り入っていなかったのですが、お子さま連れのお客様など、次々とご来場頂きました。
毎年、夏営業を再開するこの時期というのは、「(今年は)本当にお客さんが来てくれるだろうか…」と、不安のなかで迎えるものです。
お越し頂きました皆さま、本当にありがとうございました。
さて、こちらの写真はバンビちゃんのドライビングをするオーナーです。
ドライビングとは若馬の初期調教の一つで、こうしてハミ(馬の口に噛ませる棒状の金具。騎乗者の手綱さばきはこぶしから手綱を通じてハミに伝えられ、馬にその意を伝えることができます。)にかかるプレッシャーに対し、どのように対応したら良いのかを覚えてもらうものです。
この方法で、「こうしたら右に行くんだよ。左に行くんだよ。止まるんだよ」と教えてから騎乗しないと、どこ行くか分からないですよね。
それって、とても危険ですよね。
もしも、モンゴルのような大平原なら、どこまで走っても平原ですから、気の済むまで走らせて疲れてから「コッチ行け。アッチ行け」でいいと思いますが、ちょっと走ったら障害物に出くわす日本ではその方法は使えません。
ですから、まずはドライビング調教で騎乗者の意思の伝え方を覚えて頂くわけです。
バンビちゃんの場合、ドライビング調教の初期段階ですね。
それが分かるのは、オーナーの立っているポジションと、調馬索(長い手綱)の使い方です。
馬の左側に立っていますよね?
これは、馬がパニックに陥ったとき、このポジションなら左の調馬索だけを引けば、馬がクルッと回って自分の方に向けることができます。
これが真後ろに立っていたら、前に突進されたら引きずられるか、調馬索を離して放馬させるしかないですよね。
でも、実際に騎乗するときは馬の真後ろにあたる場所から指示を出すのですから、ハミ受けも真後ろからのプレッシャーに正確に反応してくれないとダメですよね。
ですから、次のステップでは真後ろからのドライビング調教を施すわけです。
さらに、調馬索も鐙(あぶみ=騎乗者が足をかけて体を安定させる鞍の一部)を通して使い、発進の際に両方の調馬索を左右に開いて元に戻せば、両方の鐙が馬の脇腹に当たります。
これが、両足をお腹をトンと叩く合図になるのです。
バンビちゃんの乗用馬への道は始まったばかり。
とても敏感なタイプで、少し時間は要するかも知れませんが、夏には当たり前の顔して乗用馬をやっていることでしょう。
是非とも皆さま会いに来てあげて下さい。